・これまでの未掲載分の試合結果 

無題


RSもASブレイクを経て、CHIは残り25試合の後半戦への向かっていきましたが、チームはその前にトレードデッドラインというもう一つの試練を潜り抜けなければなりませんでした。例年は噂が噂のまま過ぎ去るこの時期でしたが、本格的にチームを作り直す方向性が明らかとなった今季は普段とは事情が異なっていました。そして、CHI一筋8シーズン目のギブソンとホイバーグHCの期待も高かったマクダーモットがチームを去ることになりました。奇しくも二人の移籍先であるOKCは、元CHIのタボ・セフォローシャとギブソンの指名に用いた指名権を交換した相手であり、その意味で非常に運命的なトレードとなりました。後半戦最初の試合は、彼らなしで戦うという新たな試練の意味合いもあり、是が非でも勝ち取りたい試合となりました。








【1.Game Logs:PHX】

CHI 128-121 PHX

2017_105

Dwyane Wade 23pts 4reb 3ast
Jimmy Butler 22pts 9ast 4stl
Nikola Mirotic 20pts 8reb 3pt 4/7




















【2.総評】

このトレードによって、誰が最もステップアップすべきかといえばミロティッチをおいて外にありませんでした。PFが一人減ったことでミロティッチの比重は重くなり、ベンチスコアという点でも同様でした。しかし、そのミロティッチはASブレイク前の48試合では平均9.0点、3ptは29.9%に落ち込んでおり、もしもCHIがトレードするならば、マクダーモットよりもミロティッチをと考えていました。しかし、この真価が試される試合でミロティッチは見事に期待に応えてくれました。



上掲のツイートはマクダーモットとミロティッチがルーキーだった時代のものですが、このように二人は当時から仲が良かったようです。入団以来、二人は主にベンチスコアを期待されてきましたが、ルーキーシーズンに3月の新人賞を取ったことのあるミロティッチはその後不振に陥り、逆にマクダーモットはオフシーズンではジミーに鍛えられ、上達しつつある様子が見て取れました。またミロティッチはプレシーズンにおける先発獲得争いにもギブソンの後塵を拝すこととなり、ミロティッチへの信頼感は下降の一途をたどるばかりでした。そんな中での二人の移籍はミロティッチに再び輝くチャンスをもたらし、この試合でそれを活かしてくれました。このNext Man Upは上掲の写真の通り、隣人マクダーモットの穴を埋めるステップアップであったと言えるでしょう。二人が去って数試合を経て活躍するのでは意味がありません。このASブレイク明け最初の試合でミロティッチがシーズンハイタイの20点を記録し、チームの勝利に貢献したことに意味があるのだと思います。

ベンチスコアという点では、ミロティッチだけでなくバレンタインも貢献し、二人合わせて35点を稼ぎだしました。これはPHXの総ベンチスコア39点に二人だけで対抗し得る数字であり、CHIの総ベンチスコアはマクダーモットを失い、尚且つOKCからの新加入組がプレイしなかったにもかかわらず53点にも上りました。ここまではマクダーモットが去った穴をミロティッチを筆頭に上手く補ったといえるでしょう。

しかし、ギブソンが抜けた穴は一朝一夕には改善されないこともまたこの試合から見て取れました。それはペイント内での失点です。PHXはペイント内での得点でCHIを14点も上回る60点も獲得。エリック・ブレッドソーやデビン・ブッカーなど、ガード陣に楽に侵入を許してイージーショットを献上しすぎました。また、リバウンドでは腕に覚えのあるはずのCHIですが、サイズでCHIに対して優位に立つわけでもないPHXに8本のOREBを許し、そこから16点のセカンドチャンスポイントを与えました。このペイント内での守備、そしてリバウンドの確保という点では、ロペス6リバウンド、ポーちゃん7リバウンドぐらいでは物足りないものがあります。OKCから獲得したジョフリー・ラヴァーンはリバウンドや守備を得意とする選手ではないため、このギブソンの穴はむしろ既存の選手にリバウンドを補ってもらう外ないでしょう。現在はリーグの平均リバウンドで首位に立つCHIですが、この座をギブソンなき後でも守っていけるのかどうかは、一つの指標になるでしょう。